【二分脊椎の2タイプの症状、合併症、出生後の生活】

症状の概要

二分脊椎症は、神経管閉鎖障害の1種です。

 

胎内での発達過程において、脳と脊髄の前身となる「神経管」という管状組織が出来ます。

 

この神経管の下部がきちんと閉じずに開きっぱなしの部分ができることで二分脊髄症が起きます。

 

二分脊椎は英語ではspina bifidaであり、略してSBとも呼ばれます。

 

SBは大きく2種類に分けられます。

 

顕在性(開放性)二分脊椎

本来なら背骨の管の中にくるまれているべき脊髄がむき出しの状態で生まれてくるものです。

 

出産後すぐに脳外科医の手で背中の閉鎖手術をする必要があります。

 

成長後の障害の程度は個人差が大きいですが、一般に歩行障害と排泄障害がみられます。

 

開放性二分脊椎の症状イラスト

開放性二分脊椎の外観

 

潜在性二分脊椎(脂肪腫)

脊髄がむき出しの状態ではなく、皮膚に覆われてはいますが、中身は正常に完成していないものです。

 

骨と周辺の組織が入り混じって癒着した覆っていたり、その形態はさまざまです。

 

外見的には腰のあたりに瘤があるような様子です。

 

幼少の頃は目立った障害がないことも多いです。

 

しかし、成長すると身長の伸びに中身の脊椎がついていけずに引っ張られ、転倒や尿漏れが始まることもあります。

関連情報

二分脊椎症の合併症

水頭症
  • 二分脊椎症患者の7〜8割に発生。
  • 本来、脳と脊髄の間を循環すべき脳脊髄液の循環が阻害され、脳内にたまりすぎる症状。
  • 脳が圧迫を受けて様々な症状が出る。嘔吐、痙攣、頭痛、頭囲の膨張、体のバランス喪失など。
  • 治療法は髄液シャント術。頭蓋骨に穴を開けてシャントというシリコンチューブを装着し、腹腔にバイパスさせて脳脊髄液を循環させる。
キアリ奇形
  • 後頭部の脳器官(小脳・脳幹の一部)が本来の位置より下がり、頭蓋骨より脊椎側に落ち込んでいる状態。
  • 食事でむせる・いびき・呼吸休止などが症状。
  • 受診科は脳神経外科。
脊髄空洞症
  • 脳や脊髄を衝撃から守る脳脊髄液。
  • この脳脊髄液がたまった大きな空洞ができて脊髄を圧迫することで起きる症状。
  • 片方の腕のしびれ・脱力・痩せで発症することが多い。
ラテックスアレルギー
  • ラテックスは天然ゴムの1成分。
  • 手術用手袋、医療用カテーテル、炊事用手袋、ゴム風船、輪ゴム、コンドームなどに含まれる。
  • 軽症はじんましんから重症はアナフィラキシーショックまで。
  • 二分脊椎症の人の1/3から半数くらいがこのアレルギーに陽性。

 

リハビリテーションと装具

運動麻痺レベルは重いものから軽いものまでレベルが設定されています。

 

そのレベルはTh12, L1 ,L2, L3, L4, L5, S1, S2という記号で表され、それぞれの麻痺内容が定義されています。

 

二分脊椎症向けのリハビリプログラムがあり、各個人の運動麻痺レベルに応じてメニューが組まれます。

 

内容は次のようなものです。

 

  • ウォームアップ
  • ストレッチング
  • 筋力強化練習
  • 立位練習
  • 歩行練習
  • 段差・階段昇降練習

 

装具は両足を支える金属のギプスのようなものがあります。

 

一般に二分脊椎症の人は下肢の感覚が鈍く、血行も悪いので褥瘡が起きやすいです。

 

専用の装具では褥瘡が起きにくい工夫もされています。

 

また、失禁防止用の装具も発売されています。

 

該当する受診科

二分脊椎症は一つの受診科だけで完結できず、トータル医療ケアが求められる症状です。

 

関連する科は、脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等になります。

 

二分脊椎症協会

二分脊椎症患者とその家族で結成された、日本で唯一の患者団体。

 

この症状に関する様々な情報提供や支援を行っている。

 

また、下記の参考書籍を出している。

 

二分脊椎症ライフマップ 日本二分脊椎症協会のホームページから無料でダウンロードできる。患者の経験を集めた本で、現れる可能性のある症状が網羅されている。
二分脊椎症の手引き〜出生から自立まで 日本二分脊椎症協会刊。1600円。患者本人や家族が編集した本。
やったよ できたよ じぶんでおしっこ 日本二分脊椎症協会刊。無料。幼児〜小学生が自分で導入できるようになるための絵本。

 

二分脊椎症協会のホームページ