【神経管閉鎖障害(NTD)の発生メカニズム】

脊椎動物共通の脳と脊髄の原基

 

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ここでは「神経管」とはどのようなもの?

 

いつできてどのように変化していくのか?

 

・・・について、やや詳しい説明を提供します。

 

少し学術的になるので、興味のない方はスルーしていただいて結構です。

胎児の発達段階のおさらい

最初に赤ちゃんがお腹の中で大きくなるプロセスをさらっと復習しましょう。

 

STEP1 受精
  • 次の月経開始日の約14日前に、左右の卵巣のどちらかから一個の卵子が放出される。
  • 卵子は卵管内に入って待機し、大量の精子が鞭毛で遊泳してそこへ向かう。
  • 排卵された卵子にひとつの精子が入り込むと受精が成立。
  • 繊毛の動きで受精卵は卵管から子宮に運ばれます。
STEP2 胚盤胞の発達
  • 受精後の5〜8日目に胚盤胞が子宮内膜に付着し、10日までに完了。着床と呼ばれる現象。
  • 胚盤胞の内側の部分が分厚くなって胎芽に発達。これが胎児になっていきます。
  • 胚盤胞の外側の部分は子宮内膜に入り込んで胎盤に発達。
  • 胎盤は胎児を保持し、母体と連絡して臍帯(へその緒)を経由して栄養を届ける器官。
  • さらに胎盤はヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンを分泌して妊娠を維持する。
STEP3 胎芽の発達
  • 胎芽が発達し、丸い胚が人体の各器官に分化していく。
  • 脳や脊髄のもとになる神経管が形成される。
  • 受精後16〜17日頃までに心臓や主要な血管が形成される。
  • 外見も内臓もどんどん人間の形になっていく時期。
  • それだけに奇形(先天異常)の発生もこの時期に集中する。
STEP4 胎児と胎盤の発達
  • 妊娠10週で胎芽は胎児とみなされる。
  • すでに人間として出来上がった身体構造が成長を継続する。
  • 14週くらいまでに性別が判定できるようになる。

 

神経管の発達過程

神経管(neural tube)は脳と脊髄の原基(もとになるもの)です。

 

すべての脊椎動物の発生過程で形成され、もちろん人間も例外ではありません。

 

人間の卵子は細胞分裂を繰り返して、多細胞からなる丸い胚になります。

 

その内側に糸状の脊索ができます。

 

胚の外側を外胚葉といいますが、脊索が内側についている部分が細長い板状の神経板(neural plate)になります。

 

神経板の正中部分は内部に落ち込んで神経溝(nerual grove)に変化していきます。

 

一方、神経板の両端は神経隆起(neural ridge)となります。

 

左右の隆起はさらにせりあがって接近し、やがて癒着します。

 

これが神経管の背側閉鎖(dorsal closure)です。

 

これが完了すると神経管は名前の通り管状になり、内部が脳と脊髄に分化発達していきます。

 

神経管閉鎖不全

以上のプロセスで左右の隆起がもれなく癒着して完全な管状になれないのが、神経管閉鎖不全です。

 

神経管閉鎖障害ともいいますが、ともに英訳はneural tube defectであり、NTDと略されます。

 

わかりやすく言うと、閉じた管となって中身が発達すべきものが、一部で口が開いて中身が漏れている状態です。

 

閉鎖できない理由は神経板が彎曲しないとか、左右の隆起が癒着できない、などです。

 

そのメカニズムにはプログラム細胞死(アポトーシス)が深く関係しており、人工的にその正常な進行を妨害すると同障害が誘導されます。

 

この障害の原因は遺伝を含めて複数の要因がありますが、栄養学的要因としては葉酸がきわめて重要であることがわかっています。