【無脳症の症状、発症過程、出生前診断、および出生後について】

症状の概要

無脳症の定義

耳から上の頭が外側も中身の脳もほとんどない状態の赤ちゃんです。

 

医学書における定義例を2つ載せておきます。

 

全大脳または少なくとも両側大脳半球を欠く致死的奇形(小児科学・新生児学テキスト)

 

頭蓋の先天的欠如症で、大脳の両半球が全くないか、または小塊に縮小し、頭蓋底に付着している。(第28版 ドーランド 図説 医学大辞典、157、廣川書店、1998年)

 

英語の医学専門用語ではanencephaly:アネンスファリといいます。

 

原因

受精卵の発達過程において、脳と脊髄の前身である神経管の前部の閉鎖が完了しなかったことにより起きます。

 

簡単に言うと、脳になる部分の組織が閉じて管状にならずに中身が漏れている状態で発達を続けた結果です。

 

症状

顔は特徴的で正面化から見るとカエルに似た容貌になることが多いです。

 

約75%は死産で、残りの25%も1週間以内にほぼ死亡するとされています。

 

無脳症の症状イラスト

無脳症の外観

関連情報

無脳症の脳の発達過程の詳細

まったく脳が形成されないのではなく、いったん途中まで出来た後に退化するとのことです。

 

このため、無脳症ではなく無頭蓋症の呼称の方が適切と主張する医師もいます。

 

最終的に脳がどれだけ残っているかによって症状は変わります。

 

著しく欠損していれば一瞬も生存できませんし、延髄の下半分が存在すれば泣き声をあげます。

 

さらにたくさん残っている場合は、生命維持装置などにより少し生きることができます。

 

長期生存の例

アメリカでは生命維持装置により1年以上生存した例があるとのことです。(ベビーK事件)

 

6ヶ月程度ならもう少し実例があり、1〜2週間ならかなり事例があります。

 

ただ、死産でなかった場合も全力の救命措置がなされることは稀です。

 

出生前診断について

出生前診断で無脳症は判定可能です。

 

超音波検査および母体の血清・羊水からの成分検出(α−フェトプロテイン)でわかるそうです。

 

無脳症と判明した時点で中絶を選択する人が大多数と言われています。

 

しかし、この件に関する正確なデータは存在しないようです。

 

出産後の両親の対応について

一般的にはショッキングな姿なので、医師・助産婦の助言に従い、対面を避けるケースが多いようです。

 

しかし、中には会うことを望み、会った結果、愛情を抱く親もいらっしゃるようで、ブログの実例などが散見されます。